10月、11月になり秋から冬へ季節の変わり目を感じる頃、こんなことが書いてあるハガキやら封書やらがチラホラ届いていませんか?
【〇〇保険料控除証明書】
【♦︎重要♦︎年末調整・確定申告用】
なんて書いてあるやつです。
何やらめんどくさい臭いがプンプンするし、見て見ぬふり…
なんてことは絶対にやめましょう!この証明書で戻ってくる税金があるかもしれません。
年末調整って何?
まずは年末調整について、基本のところを理解しましょう。
年末調整は会社(お給料を払っている人)が、お給料をもらってる人の代わりに確定申告をして納税してくれる、会社員にとってはとってもありがたい(会社にとってはとっても手間暇のかかる)
制度です。
日本で働いていて、一定以上の収入がある人には、納税の義務があるわけですが、その納税額はその人それぞれの事情を考慮の上で(独身なのか、誰かを養っているのか、保険に入って万一の備えを自分でしているか、など)決めることになっています。
その計算と申告をする(=確定申告)ための書類は、細かい数字と小さな漢字がいっぱいでものすごく大変・・・、なのですが、これを会社員の場合は基本的には会社が毎年やってくれます。
国民の義務である納税なのに、その手続きを「1度もやったことないよ」という方も多いかもしれません。税金という大切なお金に関する事を会社任せにするのは良くないんじゃ?とも思いますが、納税を個人単位にして、納税を忘れる人や面倒で後回しにして納税しない人が毎年沢山出てしまうと国としては大変。
だったら、会社に管理してもらって税金の納付漏れを最優先に防ごう、ということで従業員の確定申告は会社がまとめてすることが義務になっています。
個人で納税手続きをする諸外国と比べて、日本のマネーリテラシーが低い傾向があるのは、そういった知識がなくても困らない状況の人が多いというのもその理由の一つかもしれません。
会社員の税金は天引きされている
会社がまとめて確定申告をするために、所得税は毎月の給与から事前に天引きされています。
これがいわゆる【源泉徴収】というもの。毎月のお給料はこれくらいだから、だいたい今年の納税額はこれくらいかな?という大体の額で天引きされているため、ピッタリとは合いません。
多くの場合は徴収分の方が多くなるため、その分が年末調整の「還付金」として戻ってきます。
注意したいのは「徴収金」や「追徴金」として、追加で税金を支払う場合もあるということ。
例えば会社の業績が上向き、想定していた額よりボーナス支給があったりすると(それ自体はとても良いことなのですが)、賞与の額によっては追徴される可能性があります。転職や人事異動でお給料が大幅に上がった、なんていう場合も同様です。
また、もう一つの追徴金をとられる理由として、扶養家族が減った場合があります。扶養している家族がいると【扶養控除】によって納税額が減ります。
例えば、配偶者や扶養家族の方が働き始めて扶養対象者から外れた場合、扶養控除がなくなル貯め、追徴金が発生する可能性があります。
所得控除とは?税金負担を軽くする仕組み
ここまでのところで【控除ってなに?】と思った方がいるかもしれません。控除、というのは「差し引く」という意味。
世の中には、自分の生活費だけで暮らせる人もいれば、面倒をみる家族(学費のかかる子どもや歳をとった親など)がたくさんいる人もいます。
税金の負担額を決めるのが、単純に年収だけだとしたらどうでしょうか?税金の仕組みでは人それぞれの事情に合わせて、年収から決まった額を差し引いて=【控除】して所得税額を算出します。
また、社会保険料を、きちんと納めている人と滞納している人、生命保険や地震保険に加入し自分で万一の備えをしている人としてない人とでは、税金の負担が変わるように、税金の仕組みは人それぞれの諸事情が考慮されるようにできているのです。
所得控除は15種類
税金の負担を軽くするために、年収から差し引ける理由は沢山あります。
大きく「物的控除」と「人的控除」の二つに分けられ、合わせて15種類あります
●物的控除の7種類
雑損控除
医療費控除
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
寄附金控除
●人的控除の8種類
障害者控除
寡婦・寡夫控除
ひとり親控除
勤労学生控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
基礎控除
これらの控除を計算に入れた最終の税額計算を、毎年12月に「年末調整」で会社が行います。
個人で入っている保険の控除証明書が、10月くらいから各家庭に届き始めるのは、この控除額を計算するためです。
だから、せっかく届いた証明書も、会社に提出しないと何の控除もしてもらえません。届いた証明書は忘れずに会社に提出しましょう!
年末調整できない(できなかった)控除は
確定申告で取り戻す
医療費控除やふるさと納税などの寄附金控除、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の1年目も年末調整では税額控除を受けられません。このような時は確定申告をして、払い過ぎた税金を取り戻します。
年末に結婚し、配偶者控除が受けられる場合など(結婚相手の所得金額により)年末調整の後に状況が変わった時も、確定申告で税金の還付が受けられます。
知らないと損!税金の知識は一生もの!
このように、税金制度には個々のいろいろな事情を考慮して負担を軽くする、という仕組みがあります。複雑でわかりにくいところもありますが、基本をしっかりと理解していれば、年末調整も確定申告もそれほど難しいものではありません。
ついうっかり保険料の控除証明を提出してなかった!
という場合も確定申告をすれば、還付がありますし、知識があれば戻ってくるはずの税金を諦めずに済みますね^^
【税金】は一生ついてくるものだから、その知識は一生使えるお金の知識になります。くれぐれも【〇〇保険料控除証明書】を見て見ぬふり・・・なんてことのないように。
知っておいて損はない税金の知識。一生使える武器を手に入れるとつもりで、しっかり身につけていきましょう。
もし、こんな場合はどうなるの?という個々の質問疑問に関してはお気軽に無料のLINE相談をご利用ください♪